JYOFUKUJI TEMPLE

金沢の歴史を静かに見守る浄土真宗の古刹

金沢市中心部に位置する常福寺は、加賀百万石の歴史とともに歩んできた浄土真宗の古刹です。喧騒から一歩足を踏み入れれば、そこには静寂と厳かな空気が広がり、訪れる人々の心を穏やかに包み込みます。約400年の時を超えて受け継がれてきた文化財や、地域に根ざした信仰の歴史が息づく常福寺で、金沢の奥深い魅力を感じてみませんか。

歴史:慶長三年創建と祐念の功績

常福寺は、慶長三年(1598年)に創建されたと伝えられています。開山は、浄土真宗の教えを広めるために尽力した祐念(ゆうねん)上人です。祐念上人は、戦乱の時代にあって人々の心の拠り所となり、常福寺の礎を築きました。以来、歴代の住職がその教えと伝統を守り継ぎ、地域の人々にとって大切な存在として、今日までその歴史を紡いでいます。

見どころ・文化財:北方心泉の書と400年の梵鐘

常福寺には、長い歴史の中で大切に守られてきた貴重な文化財が数多く残されています。

北方心泉(きたがた しんせん)の書 常福寺が所蔵する「北方心泉の書」は、江戸時代中期に活躍した高僧、北方心泉による貴重な書です。心泉は、書道だけでなく詩歌にも秀でた文化人として知られ、その書は力強くも繊細な筆致で、見る者の心を惹きつけます。常福寺に伝わるこの書は、当時の文化交流の一端を今に伝える貴重な資料となっています。

400年の時を刻む梵鐘 常福寺の境内には、約400年の歴史を持つ梵鐘があります。この梵鐘には、創建当時の人々の願いが込められた銘文が刻まれています。 梵鐘銘文大意: 「この梵鐘は、金沢の地で浄土真宗の教えが広まり、人々が平和で豊かな生活を送れるようにという願いを込めて鋳造されたものである。時の流れとともに、この音色が人々の心に響き渡り、安寧をもたらすことを祈る。」 この銘文は、当時の社会情勢や人々の信仰心を伝える貴重な歴史的資料であり、鐘の音とともに、400年前の金沢の情景が目に浮かぶようです。

年間行事・法要

常福寺では、浄土真宗の教えに基づき、年間を通じて様々な行事や法要を執り行っております。地域の人々とともに信仰を深め、心の安寧を願う大切な機会となっています。

  • 春季彼岸会(しゅんきひがんえ): 春分の日を中日として前後3日間、ご先祖様への感謝と供養を行います。
  • 盂蘭盆会(うらぼんえ): 8月中旬に行われる、ご先祖様の精霊をお迎えし供養する大切な行事です。
  • 秋季彼岸会(しゅうきひがんえ): 秋分の日を中日として前後3日間、ご先祖様への感謝と供養を行います。
  • 御会式(おえしき): 日蓮大聖人のご命日(10月13日)に合わせて行われる、報恩感謝の法要です。
  • 除夜の鐘(じょやのかね): 大晦日の夜に、百八煩悩を払い清めるために鐘を撞きます。一般の方もご参加いただけます。(詳細はお問い合わせください)

各行事の日程や詳細については、お寺までお問い合わせください。


アクセス情報

常福寺は、金沢市中心部に位置し、観光にも便利な場所にあります。

  • 住所: 石川県金沢市小将町6−23
  • 電話番号: 076-222-1456
  • 拝観時間: 午前9時~午後5時(要予約)※拝観できない日もあります。
  • 資料館入館料: 大人500円(拝観料があれば記入。無料の場合はその旨を)
  • 公共交通機関:
    • JR金沢駅よりバスで約16分、「兼六園下」バス停下車、徒歩約7分。
  • お車でお越しの場合:
    • 北陸自動車道金沢森本ICより約15分。
    • 駐車場: あり(8台分)

周辺寺院との連携: 常福寺から広済寺までは徒歩約1分と非常に近く、両寺院を合わせて巡ることも可能です。金沢の寺町文化を深く体験する散策コースとしてお勧めです。